ERPを日本語では「統合基幹業務システム」と表記する。この表記を広めたメディアの責任でもあるが、私は常々、とんでもない言い換えだ?#20154;激盲皮い搿?

 だってそうだろう。ERPは「Enterprise Resource Planning」の略称である。本来の意味に沿って訳せば「全社的リソース計画」あたりが適切な表記か?#20154;激Α?/p>

 つまりERPは全体最適を図る経営のための?#26411;`ルなのだ。一方、統合基幹業務システムはいかにもシステム屋的な言い方だから、ERPの本質を誤解させる恐れがある。だから私は「とんでもない」?#20154;激盲皮い郡韋饋?

 とはいえ多勢に無勢。ERPが日本で普及し始めたころ、「ERPを統合基幹業システムと表記するのはやめよう」と書いたり言ったりしたが、読者やIT業界から完全にスルーされてしまった。で、不本意ながら記事でも「ERP(統合基幹業務システム)」と書いてきた。実際、この極言暴論でさえもその表記を踏襲しており、書くたびに内心じくじたる思いがこみ上げてきていた。

 ところが最近、さらにとんでもない事実に気付いた。ERPを統合基幹業務システムと表記するのは一部正しいのだ。つまりこうだ。欧米製のERPと日本製のERPは同じERPと言っても別物で、欧米製は全社的リソース計画のためのシステムだが、日本製はまさに統合基幹業務システムなのだ。

 そう気付いたのは、大手ネット企業のCIO(最高情報責任者)と話をしていたときだった。この企業は最近、経理や人事などの部門単位で部分最適化されていた基幹系システムを刷新し、全体最適の観点からパブリッククラウドをベースにしたシステムに切り替えた。単一のERPクラウドではなく、複数のITベンダーのサービスを組み合わせた構成だが、日本のITベンダーのものは採用しなかった。

 「日本のものはERPであろうが単体であろうが、あるいはパッ?#26292;`ジソフトかクラウドかの区別なく、全てユーザー企業の経営者ではなく現場の部門を客として想定している。だから他のパッ?#26292;`ジソフトやクラウドとのデータ連携が恐ろしく貧弱だったりして、新システムではとても採用できなかった」。プロジェクトを率いたそのCIOはこう話してくれた。

 「なるほど!」?#20154;激盲俊?#26085;本のITベンダーが作るパッ?#26292;`ジソフトやSaaS(ソフトウエア?アズ?ア?サービス)は経理や人事などの利用部門のニーズにきめ細かく対応できることを売りにしている。言うならば「現場のお役立ち?#26411;`ル」の立ち位置だ。そして各部門用のお役立ち?#26411;`ルを寄せ集めたものをERPと称する。まさに統合基幹業務システムとの名称がピッタリだ。

 お役立ち?#26411;`ルとして売り続けようとする?#21462;?#24120;に客のささいな要望にも対応して機能の改変し続ける必要がある。ITベンダーによってはパッ?#26292;`ジソフトやクラウドをそのまま売るのではなく、客の要望に応じてカスタマイズで個別対応する。その結果、ソフトウエアの中身はどんどんぐちゃぐちゃになり、開発現場は阿鼻叫喚(あびきょうかん)といった話も漏れ聞こえてくる。

 何のことはない。日本のパッ?#26292;`ジソフトベンダーやクラウドベンダーの商売も、SIerら人月商売のITベンダーがやっていることとほとんど変わらないのだ。客の利用部門の要望をひたすら聞いてシステムを作る。要はご用聞きである。もちろん、自らリスクを取って製品サービスを作って売るビジネスなので、人月商売のご用聞きに比べれば1000倍ましではあるが。

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