私には以前から謎だった横文字ワードがある。IT関係者がよく使うだけでなく、企業のマーケターも度々口にする言葉であり、人事担当者にとっても重要なワードになっている。しかもどうやらデジタル時代のキーワードらしい。だが今まで、私はその意味が全く理解できなかった。その言葉とは「エンゲージメント(engagement)」である。

 例えばIT関係なら「システムズ?オブ?エンゲージメン?#21462;工趣い盲?#35328;葉として登場する。3文字に略すとSoEで、旧来の基幹系システムを意味するSoR(システムズ?オブ?レコード)と対をなし、ソーシャルメディアやデジタルサービスなどのためのシステムを指す。マーケティング分野だ?#21462;?#39015;客エンゲージメン?#21462;埂?#20154;事分野では「従業員エンゲージメン?#21462;工勝嗓趣い?#29992;語がよく使われる。

 では、そもそもエンゲージメントって何だ。人にそう聞いたら「辞書を引きなさい」と諭されてしまったことがあったが、英和辞書に載っている「婚約」「約束」「従事」「雇用」「関与」などの様々な日本語訳を知りたいのではない。日本語訳がたくさんあるということは、この言葉が日本人にとってつかみどころがないからで、私はもっと本質的な意味を知りたいのだ。

 エンゲージメントに対するそんなモヤモヤ感があったので、外資系ITベンダーで「従来のSoR?#21462;ⅳ長欷?#37325;要になるSoEとではシステム構築において…」などとSoEを連呼する人に、エンゲージメントについて問いただしてみたことがあった。その人は日本人だが、外資系企業に勤めているので当然、英語はペラペラだ。

 「うーん、エンゲージメントは『つながり』や『絆』といったニュアンスか?#30465;¥坤镾oEなら『顧客とつながるためのシステム』『従業員同士がつながるためのシステム』だろうね」とその人。確かにそれなら顧客エンゲージメントや従業員エンゲージメントも意味が通じる(ような気がする)。

 だが、やはりそれではダメだ。エンゲージメントには、もっととんでもない意味がある。エンゲージメントの動詞形はエンゲー?#31119;╡ngage)だが、次の英文を訳してみてほしい。

The army engaged terrorists.

  まさか「軍はテロリストと絆を結んだ」などと不適切な訳を付ける人はいない?#20154;激Δ?#30452;?#26800;膜摔?#20309;のことかさっぱり理解できない。英和辞書に載っている日本語訳の用法を知って初めて「軍はテロリストと交戦した」?#26085;筏?#35379;すことができる。そうなのだ。エンゲージメントには「交戦」という意味もあるのだ。

 もう訳が分からない。なぜ「つながり」「絆」?#21462;?#20132;戦」が同じエンゲージメントなのか。「エンゲージメントは『つながり』や『絆』といったニュアンス」と言ったITベンダーの人に改めて突っ込んで聞いてみる?#21462;ⅰ袱い浹 ⅳ餞長蓼?#28145;く考えてみたことはなかった?#30465;工?#30333;状した。つまりSoEの重要性を説いているのに、エンゲージメントの本質的な意味は知らないのである。

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